
「英語講師の仕事は、一生教室の中で教え続けることだけ」と思っていませんか?
実は、国際的な英語教授法であるTESOL(テソル)の資格や、日々のレッスンで磨いたスキルは、教育業界以外でも「喉から手が出るほど欲しい」と思われるほど価値のあるものです。
本記事では、英語講師の経験を活かして、どのような新しいキャリアへ踏み出せるのか。その具体的な道筋と、今からできる準備について、わかりやすく解説します。
1. 「教材を作る」プロへ:出版・コンテンツ制作
「この説明、生徒に全然響かないな」
「もっといい教材があればいいのに」
……そんな風に思ったことはありませんか?その「現場の違和感」こそが、出版業界では大きな武器になります。
- 教材ライター(執筆者)への道
教科書やドリル、学習アプリの問題を作る仕事です。プロのライターの多くは、元・教員です。「どこで生徒が躓くか」を知っている強みは、何物にも代えがたい実績になります。- 準備: まずは今の職場で、オリジナルのプリントやブログ記事を書いてみましょう。「書く実績(ポートフォリオ)」を貯めておくことが、フリーランスとして独立する際や転職の際の強力な証明になります。
- 教材編集者(エディター)への道
ライターに執筆を依頼したり、内容をチェックしたりする司令塔です。出版社は「現場を知らない編集者」よりも、「現場で1〜2年以上教えてきた経験者」を求めています。TESOLの資格があれば、その専門性をさらに高く評価されるでしょう。
2. 「組織を動かす」リーダーへ:アカデミック・マネジメント
「教えるプロ」から、次は「学校を支えるプロ」へのステップアップです。

- キャリアの階段(キャリアステップ) 多くの語学学校では、以下のようなステップで昇進していきます。
- コーディネーター: 講師同士の予定調整やサポート。
- 教務主任補佐: 新人講師へのアドバイスや、主任のサポート。
- 教務主任(DoS): 学校全体のカリキュラムを決め、講師を採用・育成する責任者。
- 求められるのは「ビジネスの視点」 管理職になると、教育の質だけでなく「どうすれば生徒が集まり、満足度が上がるか」というビジネス的な感覚(商業的意識)も必要になります。
- 資格がものを言う世界 管理職を目指すなら、MA TESOL(修士号)や、より高度なDiploma(ディプロマ)などの資格を取得しておくと、理論的な裏付けがあるリーダーとして、周囲からの信頼や給与交渉の力が格段に高まります。
3. 「領域を広げる」スペシャリストへ:異業種への転身
「英語を教えること」の本質は、実は「高度なコミュニケーション」です。これはビジネスのあらゆる場面で応用できます。

- 企業研修・人事コンサルタント グローバル企業の社員向けに研修を行ったり、多国籍なチームがうまく働くための仕組みを作ったりする仕事です。一般的に、教育業界よりも給与水準が高い傾向にあります。
- 教員養成トレーナー 「先生を教える先生」です。自分のノウハウを次世代に伝える仕事で、コーチングやメンタリングのスキルが活かせます。
- インストラクショナル・デザイン(教育設計) 「どうすれば人は効率よく学べるか」という理論に基づき、教育プログラムを設計する専門家です。最近では企業のオンライン研修などの需要が急増しています。
4. 転身を成功させるための「翻訳」のコツ
転職を成功させる鍵は、あなたのこれまでの経験を、相手の業界の言葉に「翻訳」して伝えることです。
履歴書に書ける「スキルの言い換え」
英語講師としての日常 | ビジネスでの評価(言い換え) |
|---|
生徒のレベルに合わせて話す | 情報を整理し、相手に伝えるプレゼン能力 |
目標達成(合格など)を支える | 目標管理(KPI管理)とコーチング能力 |
外国人の生徒に対応する | 多様性の理解(DE&I)と調整能力 |
レッスンの時間を守る | プロジェクトの進捗・時間管理能力 |
今すぐできる3つのアクション
- つながりを作る: LinkedInなどのビジネスSNSで、自分と同じように「元講師」から異業種へ移った人のキャリアを調べてみる。
- 学びを深める: 専門性を証明するために、上位の資格(Diplomaなど)の取得を検討する。
- 実績を形にする: 今の職場で、授業以外のこと(イベントの企画やパンフレット作成など)に積極的に関わり、「教える以外の実績」を作っておく。
結論
TESOLは、単に「英語の教え方を学ぶためのもの」ではありません。
それは、「人の心を動かし、成長を支える技術」を持っていることの証明です。
今、あなたが教室で生徒に向き合っているその経験は、間違いなく次のステージでも役に立ちます。そのスキルをどこへ繋げたいか。少し視野を広げるだけで、あなたのキャリアは無限に広がっていくはずです。