最新の英語教育理論と実践的なノウハウをわかりやすく解説します。 TESOL資格取得を目指す方、英語教育に携わる方必見の内容です。
オンライン英会話を始めた人から、こうした相談を受けることがあります。
「生徒が値段で他の講師に流れてしまう。内容では負けていないはずなのに」。
その人のレッスン料は1回2,000円。
授業準備は丁寧で、フィードバックも細かく返している。
一方で、同じプラットフォームには1回500円の講師も並んでいます。
このとき起きているのは、「質の比較」ではなく「価格の比較」です。
そして多くの場合、生徒はプロフィールをじっくり読んでいません。
いくつかのUX調査では、オンライン上の第一印象の判断は数秒以内に行われる傾向があると報告されています(Google, “The Need for Mobile Speed”, 2018 など)。
つまり、内容を見てもらう前に選択から外れている可能性があります。
どれだけ授業の質を高めても、最初の数秒で選ばれなければ、その価値は伝わりません。
生徒がプロフィールを見る時間が限られているとすれば、
その中で「この人は違う」と認識される要素が必要になります。
そのひとつが、プロフィールの冒頭にある「1行」です。
同じような状況にいた講師が、プロフィールに次の一文を加えました。
「TESOL Level 7 保有(英国認定・修士号相当の国際教授資格)」
授業内容は変えていません。
料金も当初はそのままでした。
それでも、問い合わせの内容が変化したとされています。
・料金はいくらですか?
・体験レッスンはありますか?
・資格をお持ちなんですね。週1でお願いできますか?
この変化は、単なる印象ではなく「比較の軸の変化」として捉えることができます。
「500円 vs 2,000円」という価格比較から、
「資格なし vs 国際資格あり」という専門性の比較へ。
同じプラットフォーム内でも、見られ方が変わった可能性があります。
TESOLとは「Teaching English to Speakers of Other Languages」の略で、
英語を母語としない人に英語を教えるための専門資格です。
その中でもLevel 7は、英国の資格制度(RQF: Regulated Qualifications Framework)において
修士号と同等レベルに位置づけられる資格とされています。
この枠組みは、英国の資格規制機関である
Ofqual(Office of Qualifications and Examinations Regulation)によって管理されています。
TESOL資格は、インターナショナルスクールや語学学校、企業研修など、
英語教育の現場で活用されることが多いとされています。
TESOLは英国発の資格体系であり、
日本の「英語×副業」や「英会話スクール中心」の情報圏では、
必ずしも広く紹介されてきたとは言えません。
そのため、一般的な比較サイトや広告で見かける機会が少ない傾向があります。
ただし、この状況は見方によっては、
「保有者がまだ多くない可能性がある」という状態とも考えられます。
これは過去の市場動向からの推論ですが、
認知度が低い資格は、初期段階では差別化要素として機能しやすいケースがあります。
価格帯が近い講師同士で比較される場合、
判断基準はどうしても価格に寄りやすくなります。
一方で、資格や専門性が明確に提示されている場合、
比較軸が変わることがあります。
TESOL Level 7のような資格は、
その「比較される場所(棚)」を変えるための要素のひとつと考えられます。
同じプラットフォームにいながら、
価格ではなく信頼や専門性で見られる状態に近づく可能性があります。
「内容では負けていないのに選ばれない」という状況は、
必ずしも内容そのものの問題とは限りません。
多くの場合、
見られる順番と、比較される軸の設計が影響しています。
プロフィールの1行は、その入口を変える手段のひとつです。
TESOLのような資格は、
単なるスキル証明ではなく「どの軸で選ばれるか」を変える材料として機能する可能性があります。
それは、競争から離れることではなく、
同じ市場の中で立ち位置を変えるという選択とも言えます。